ギャンの価値ある28のルール
ウィリアム・ディルバート・ギャン(William Delbert Gann、1878年6月6日 - 1955年6月18日)は、アメリカ合衆国の20世紀前半に活躍した投資家です。
「ギャンの価値ある28のルール」で有名になり、トレードにおいて手法と同じくらいルールを決めることが重要だと考えました。
ギャン自身は、『テクニカル分析』に力を入れている投資家だったため、投資の本質的なルールというよりは、テクニカル分析に重きをおいた内容となっています。
ギャンがトレードで意識した価値ある28のルールを以下にまとめていきます。
1.資金の1/10以上損失が出るような掛け方はしない。
1回の負けで被る損失額を資金の1/10までになるようにロットを調節しましょう。
多くの投資家が口を酸っぱくして言っていることです。
最近は3%までと言われることもありますので、ギャンの10%ルールはこれでもリスクは高いです。
2.毎度ストップロス・オーダーを置け!
リスク管理の方法として重要なのは「ストップロス(逆指値)」注文を出しておくことです。
必ず、損切ラインを決めてからエントリーしましょう!
エントリー時にストップロスを入れ、そのラインを動かすことはないようにしましょう!
3.過剰な売買をしない。資金配分を守る。
資金量、エントリー回数を考えて、過剰なトレードはやめましょう!
4.トレーリングして利幅を増やす
保有ポジションに利益が乗れば、トレーリングストップを置いて損失が出ないようにすることが大事です!
ギャン理論の本質は「損小利大」にあります。
5.トレンドに逆らわない
ギャンは、「順張り」のエントリーを推奨しています。
トレンドが上下どちらにあるかは2本の移動平均線を使うのがシンプルで分かりやすい。
短期移動平均線が長期移動平均線より上にあるときは上昇トレンドです。
6.迷ったらトレードしない
言葉の通り、迷ったらトレードはしないようにしましょう。
初心者は、トレードを始めた頃は常になにかのポジションを持っていたいし持っているポジションが気になって仕方がないです。
「休むも相場」という格言があるように、迷ったときは休みましょう!
7.アクティブなマーケットでのみ取引する。揉み合いには手を出すな
投資とは「上がるか、下がるか」を予想することです。
しかし、「上がりも下がりもしない停滞相場(もみ合い)」パターンも存在します。
揉み合い相場では、それ専用のトレード手法を使う必要があり、トレンドフォローを重視する投資家にとっては、上昇に賭けても下落に賭けても損をしてしまう相場でもあります。
つまり、「動いていない時、これからのマーケットがどうなるかわからない時」は手を出さないのが最良の選択肢なのです。
8.銘柄に全力投入なんてしない。2~3銘柄でリスクを分散する
リスク分散のために複数の銘柄に投資をすることも重要です。
リスク分散をし、資金の集中を避けましょう!
9.指値注文はせず、成行のみで取引すること
「押し目買いに押し目無し」ということで、トレンドが出たときにはなるべく早いほうが良い!
本当に強い相場では誰も指値買いを出している投資家には売ってくれず、早い者勝ちだということです。
10.充分な理由がないのに手仕舞わない
手仕舞いは「なんとなく」でしてはいけません!
含み益が膨らんでくると、それを失ってしまう怖さから、なんとなく利益確定をしてしまいがちです。
しかし、これが「損大利小」のワナであります。
手仕舞いもルールに従って行わなければなりません!
含み損を抱えてしまった時も同じで、損切りラインは決して動かさないようにしましょう!
11.トレードで儲けた黒字分は別に分けて管理すること
トレードが成功したら調子にのってレバレッジを上げてしまいがちです。
トレードで稼いだお金は別口座などに移して「現実の金」にすることで、実感がわいてきます。
12.スキャルピングはしない
わずかな利益狙いの売買(スキャルピング)をしないことも大切です。
スキャルピングをすると必然的にトレード回数が増えます。
スプレッドがあるためトレード回数の分だけトレーダーは損をすることになります。
揉み合い相場ではスキャルピングが有効ですが、ギャンは、推奨していません。
13.ナンピンはしない
ナンピンに関しては賛否両論ありますが、基本的にナンピンはしないようにしましょう!
ナンピンをすることでその銘柄への投資額が増えるため、そのトレードのリスク(資産に与える影響)が大きくなります。
14.耐えよ。焦るな
『待つも相場』というように、焦って利益確定しないようにしましょう!
15.小さな利益と大きな損失を避けよ
言葉のとおり、「損小利大」ということですね!
16.ストップロス注文を置き、これをキャンセルしない
ストップしていたにもかかわらず、その損を止めているはずの利益を決済してしまいルール違反をしてしまう方が多いです。
損切の逆指値は取り消してはいけません!
17.頻繁な売買は避ける
無理な売買はせず、ここぞという時に勝負しましょう!
18.空売りも有効に使え
売りも積極的に行いましょう!
空売りを活用することで下げのトレンドに乗る方が有効だということでしょう。
19.値頃感で取引しない
値頃感ではなく、チャートパターンを使って天井の根拠を集めて落ち始めてからエントリーしましょう!
株価が少し下がったからと言って、安いと思って買ったりナンピンするべきではないということでしょう。
20.ピラミッディングはレジスタンスやサポートをブレークしてからすること
ピラミディングのタイミングには注意しましょう!
ピラミッティングとは、いわゆる買い増し(増し玉)のことです。
レジスタンスライン、サポートラインをブレークしてから買い増し、売り増しをすることです。
例えば、最初から10の資産を入れるのではなく、まずは5だけを入れて打診的に買い、そして株価が上がれば3を買って増し玉さらに上がれば2を追加して10にするといった具合です。
一時的に株価が下がる「押し目買い」などがありますが、ギャン理論で推奨されている買い増しのポイントはあくまでも上昇のタイミングです。
「◯◯円まで下がったら買う」ではなく、「上げの途中で◯◯円まで上がったら買う」
と考えるのが、ギャン理論の手法です。
21.トレンドが明確な時だけピラミッディングする
ピラミディングをするのは強いトレンドを示す通貨ペアを選びましょう!
ピラミディングをした後、戻されたら利益が一気に減ることになります。
ピラミッティング(買い増し)は、トレンドの強い時期に値幅を広げて行うほうが、リスクは下がります。
なぜなら、値段が近い位置で買い増しをしてしまうと、その後思惑とは逆に大きく下がった場合、すべての買いが含み損になってしまうため、ハイリスクだからです。
大きく買いの利益が乗ってから、買い増しするためには強い上昇の動きで行う必要があります。
22.ヘッジの両建てはするな
買いポジションと同額の売りポジションを立ててニュートラルな状態にすることを「両建て」といいます。
どちらに動いても損益が発生しないので、本来は意味のないポジションです。
一部、両建てを活用した手法もあるのですが、原則的には両建てするなら損切りするという判断が正しいです。
23.十分な理由がなければポジションを決済してはいけない
明確な理由のもと、明確なルールに従って売買を行うことが重要です。
24.儲けた後は、取引量を減らす
トレードが成功したら「まだ行けるかも!」と根拠の弱いトレードをしがちです。
十分な利益を確保した後は、意味のない頻繁な売買を行わないことです。
大きく勝てた時こそ、一度休みをはさんで冷静に相場を見れるように心がけてください。
25.相場の天井/底を推測しない
相場の天井・底は多くの投資家が予想しようとします。
そして多くの場合、底だと思ったら底なし沼、天井だと思ったら青天井ということが起こります。
底をつけて上昇してから買い、天井をつけて下がってから売りを徹底しましょう。
26.他人の意見には従うな。自分で研究せよ
いつの時代も、ごくわずかの投資家が勝ち続け、その裏で多くの投資家が負け続けています。
もし自分が「ごくわずかの投資家」の側になりたいと思うのであれば、投資手法は人の真似をするのではなく自分自身のオリジナルを身につけることが大切です。
27.損失が出た後は取引量を減らせ
負けたら、次は小さく勝負することが重要です。
大きく勝負して負け続けると、あっという間に全資金を使い切ってしまう可能性があります。
倍のLot数でエントリーしたり、利確をいつもの倍の幅で取ったり、普段と違うトレードをしてしまわないようにしましょう!
28.間違ったポジションメイク・間違った決済をしない
間違ったエントリー、間違ったイグジットをしないようにしましょう!
エントリー・イグジットのルールを明確にしろという意味だと思われます。
まとめ
テクニカル分析を駆使して、勝ち続けたウィリアムギャンの28のルールを紹介しました。
経験から学び、自分のオリジナルルールを作り、そして失敗を改善した先に成功があるのだと思います。
もし自分が「ごくわずかの投資家」の側になりたいと思うのであれば、投資手法は人の真似をするので止めず、自分自身の経験に裏付けされたオリジナルを身につけることが大切です!